〈スウェーデン人は人間か?〉

〈スウェーデン人は人間か?〉は2006年に刊行された挑発的なタイトルの書籍で、福祉社会における個人の自立と連帯感の問題を扱っています。


〈スウェーデンでは国と個人が一体になって家族と対峙する。もちろんその前提にはナイーブなほどの国に対する信頼感がある。 〉


今朝のDagens Nyheter紙の論説でSusanna Birgersson論説委員はスウェーデンの至る所でみられる物乞いの問題を取り上げ、この課題を再検証しています。


スウェーデンでは寒くなってきましたが地下鉄の駅、スーパーマーケットの入り口など、どこでも物乞いをみかけます。毎日乞食の光景を避けることは出来ません。


Susanna Birgersson論説委員によれば、国に対して税金を払うことによって連帯感は解決済み、と考えていたスウェーデン人は、この連帯感にカバーされない外国人の物乞いの姿を見て様々な思いを巡らせます。


たとえば、これらの人は不精で働きたくないだけ、と解釈したい人もいます。嫌悪感を持つ人もいます。少し微笑み、10SEK(約150円)をあげて良心の呵責を逃れようとする人もいます。システムとして慈善では問題解決にはならない、と考える人もいます。物乞いさんと話しをしてみる人もいます。誰も無関心ではいられません。


Susanna Birgersson論説委員の論説のタイトルは〈スウェーデンの福祉社会は連帯感への障がい?〉です。

この論説は①スウェーデン人は人間である、しかし②スウェーデン人は連帯意識を持つ人間でありうるか? 

と問いかけています。