不幸な国の幸福論

標記の新書を読みました。加賀さんは精神科医で作家です。

「不幸増幅装置」日本で幸せに生きるための逆転の発想力! とPRされています。
共感できる部分が多い著書です。たとえば、
ーーーー

知足者富 (足るを知るものは富む 老子)を解説し、「諦める」ことの重要性を説いておられます。p154

諦める=「明らかに見極める。事情をはっきりさせる」などの意味を持つ「明らむ」 から派生した言葉である。

諦=「心理を悟る」「道理を明らかにする」といった仏教用語であった

したがって、本質を見極め、固執しないことが大切である。
ーーーーー

年間3万人の自殺者、未遂者はその10倍と推定されるそうです。
本書の冒頭に出てくる秋葉原通り魔事件のKさんを取り上げるまでもなく、身近の若い学生等からもこの国の閉塞感を実感せざるを得ない今日。逆転の発想力の必要性を痛感させられます。

それにしても加賀さんは1929年生まれの81歳。この歳でこのような文章を書き続けられるのはすごい。