『沖縄学−ウチナーンチュ丸裸』(仲村清司著)

休暇で沖縄に来ていますが、この本がおもろいです。

 

いくつかのキーワードをご紹介します。

 

「テーゲー主義」(大概から来たことばで、おおらかか、いい加減なのかが微妙)pp 16-23

オランダの民族学者ホーフステードの有名な調査によれば、日本人は世界で最も〈不確実性を回避しようとする〉でした。しかし、これだけ変化のスピードが速い現在は、「不確実性を回避すること」はそもそも不可能でしょう。試行錯誤で行くしかないのではないでしょうか。だとすれば、テーゲー主義は極めて先駆的な哲学でしょう。

「なんぎー文化」(難儀から来ているが、沖縄では、5分歩くのも、ごはん炊くのもなんぎ!)pp 24-29

「ナンクル」(なんとかなるさあ、台風で被害にあっても、失業してもナンクル)pp30-36

「チャンプルー精神」(何でも迎え入れるやさしさ。「これはいいが、あれはだめ」という排外的な考え方はなく、「これもいいし、あれもいい」)pp 37-44

 

沖縄は「競争」よりも「共生」の原理が働き、「効率」よりも「余裕」を大切にする (中略)そのために日本一の〈極貧県〉になったという声もある。p 56

 

しかしウチナーンチュは生活の満足度が高そうで幸せそうです。

 

沖縄県総務部の調査によると、「出世するより、自分の人生をエンジョイする生活を送りたいか」との質問に対し、「そう思う」「ややそう思う」と答えた人は68.3% (p.74)。沖縄は、三線、琉舞、空手などの趣味やスポーツ、摸合、同期会などの人と人のネットワークや参加意識がとても強い。沖縄の人たちはアフター5はこうしたヨコのつながりを優先させる。p. 75

 

幸福度の測り方が世界で注目されています。沖縄人の幸福度は間違いなく日本ではトップレベルでしょうね。「幸福祉社会」(新谷舞子)へのヒントになりそうです。