こだまん先生の授業〜セネガルに行ってらっしゃい

NECO塾の仲間、こだまんこと児玉重嘉先生の授業を受けさせて頂きました。

 

こだまんは札幌市内の小学校の先生。7月から青年海外協力隊の一員としてアフリカのセネガルに2年間派遣され、教育や教師の育成に携わられるとのことです。

 

4月4日の授業内容は以下のとおりでした。

 

①朝の会    (19.00-19.10)

②国語       (19.10-19.50)

③道徳       (20.00-20.40)

④帰りの会 (20.40-20.50)

 

国語の授業内容は中国で使われているという「看図」の手法を使い、一枚の絵を看て、グループで意見交換をした後、一人一人が作文を書き、作文を読み合う内容でした。

 

絵は小坊主が3人(うち一人はランニング姿)がお経をあげているもの。私は、「ブータンのある風景」という題で作文してみました。私の尊敬する土居征夫さん(元通産官僚、現在城西大学教授)の「ブータンで考えたこと」という文章を最近読みました。ブータンの人が幸せと感じている理由は、小さいときからの宗教心が大きい、との論でした。

 

道徳は「あなたの大切なものはなんですか」(4-6年生対象)がテーマ。自分の大切なものを絵を描いて発表。『あなたのたいせつなものはなんですか?・・・カンボジアより』(山本敏晴、小学館、2005)の内容も紹介されました。

 

カンボジアの子どもたちの大切なものには以下のような驚くべき内容も含まれていました。

・仏 (9歳)

・国旗 (13歳)

・戦争をなくすこと (14歳)

・地雷をなくすこと (12歳)

・人身売買、少女売春をなくすこと (13歳)

・学校 (12歳)

・一番多かった答えは家族でした

 

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今回はこだまん先生が海外に行かれる、とのことで「日本の教育のグローバルな普遍性」という視点から私の感想や考えたことを以下にメモさせて頂きます。

 

・こだまん先生の授業はとても工夫された内容で、キビキビとしたテンポ。子どもたちには人気の先生であったことが容易に推測されます。

 

・こだまん先生に「他の先生の授業もこんな感じですか?」と聞いたら、"No"の答えでした。日本の学校のすべての教室でこのような授業が行われる必要があるのでしょう。

 

・少し古いデータですが、学研の小学生白書(2005-2006年版)では「これからもっと勉強したいですか?」という質問をしています。回答はグラフのように、学年が高まるにつれて「もっと勉強したい」という回答が減少し、「勉強したいと思わない」という回答が増加しています。こだまん先生にお伺いしたいのは、①このデータをどのようにお感じでしょうか。現在は状況は変わっている、とお考えですか。(学研のサイトなどを検索しましたが、どういう訳か、その後の小学生白書では同じ質問はしていません)②もしこのデータが正しいなら、何が原因なのでしょうか。

 

・海外に長く住んでいた者としての率直な印象です。一緒にご挨拶をしたり、規律正しいのは日本では評価されていますが、外国人の目からみると「スパルタ式、軍隊みたい」と捉えられるかもしれません。多様性、自由、個性と規律、グループを如何にして共存させるかは大きな課題ですね。

 

・すでにお気づきのとおり、私は日本のこれまでの教育システムについては必ずしも肯定的ではありません。しかし、日本から発信出来るものがない、というわけでは全くありません。逆に日本の文化、日本の心で世界に発信出来、評価されるグローバルな普遍性をもった点は非常に多いと思います。3日に土居征夫さんとお話をしていましたら、「今日中国や韓国に東洋的思想の世界への伝達は、あまり期待出来ない。日本の責任は大きい」とおっしゃっており、納得でした。先週東京で主催した研究会「欧州における日本文化の発信ー大学生が出来ること」は盛り上がりました。

 

・こだまん先生にも、セネガルでは日本の教育に加え、広く日本文化の発信に期待したいと思います。現地からの情報発信を注目させて頂きます。行ってらっしゃい!