垣間みたスウェーデンの医療・介護の現場から②

12日は脳卒中で入院中の義母の退院後のケアーについての相談が病院で行われました。

 

参加者は、本人、看護師、市役所のケアプラナー、親族で、病院の会議室で約1時間かけて行われました。

 

決まったことは、①ホームヘルパーを毎日派遣する。うち2日は買い物について行く。1日は掃除。1日は趣味の会に引率。1日はシャワーの支援。②一日一回食事を届ける。③薬については訪問看護師と対策を考える。

 

以上のケアを月曜、16日から実施する、退院時には自宅でヘルパーが待機する、等が確認されました。

 

ケアプランニングの印象は、あくまで本人の希望を確認しながら丁寧に時間をかけて進められました。われわれにはあまり出番がなかった感じです。スウェーデンにしてはスピーディーに新たなケアプランが実施されるのも嬉しいサプライズです。

 

ただ、退院後のケアプラニングはわれわれの要求後、はじめて時間が設定されました。もし要求していなかったら、〈義母の状況は良好〉なので、今週にも退院させられる予定でした。医師との面談も先日われわれが要求して初めて実現しました。

 

Huddinge病院(老齢医療)を垣間みた総合的な印象は、①売り手市場であること、②患者、親族が申し出ない限り、ミニマムの配慮しかしない、などです。

 

12日にOECDが実施したスウェーデンの医療、ケア事情についての報告書がスウェーデン政府に提出されました。

これによれば、スウェーデンの医療や介護は依然世界のトップクラスにあるものの、様々な問題点も指摘されています。

たとえば、脳卒中で退院した患者さんの6人中1人しか退院後病院にコンタクトをとっていない。

退院を急ぎすぎる。心臓病の患者は平均5日しか入院していない。退院後の患者のケアに十分な情報がある、というプライマリーケアの医師は2割しかない。

 

11月に公表されたOECDのHealth at a Glanceによれば、年率4%以上増加していたOECD地域の医療費は、2008年からブレーキがかかり、2009-2012年の年平均増加率は0.2%に留まっています。この間に医療費が増加したのは日本とイスラエルの2カ国だけでした。

 

スウェーデンは交通事故による死者の比率では、英国、デンマークとともに世界で最も少ない(10万人あたり3-4人)国です。