スウェーデンの〈PISAショック〉の要因と対応策 with Dr Ulf Fredriksson

ストックホルム大学教育学部国際教育研究所助教授Ulf Fredriksson博士とスウェーデンの〈PISAショック〉の要因と対応策についてヒアリング。

 

Ulf Fredriksson博士はスウェーデンのPISAの読解力部門の責任者で、たとえば2013年12月11日に開催されたセミナー〈PISAの結果は何を物語っているのか?〉では素晴らしい分析をされていました。

 

今回の短時間のヒアリングのご発言のポイントは以下のとおりです。

 

スウェーデンの結果は毎回悪化している。2012年の結果では3科目すべてでOECDの平均以下となっている。前回と比べてスウェーデンの結果はOECDの中で最悪。

 

・スウェーデンの結果の悪化の背景要因については、①生徒間格差、学校間格差の拡大、②遅刻、ずる休みなどが多く、モチベーションが高いとは思われない、③読書習慣の減少、④生徒の〈自主学習〉方式への過度の依存、の4点を挙げられました。

 

・その一方、①テストの頻度を増やしたこと、②移民の増加、③成績をつけ始める年齢を早期化したこと、などはPISA結果悪化の要因ではない、とのことでした。

 

創造性,イノベーション、批判的思考,メタ認知,コミュニケーション,コラボレーションなどの〈21世紀型スキル〉をPISAは計測出来ているのか、との質問に対しては、お答えはYes and Noでした。

 

・2015年のPISAでは協働型問題解決能力(Collaborative Problem Solving)のテストが実施され、2018年にはglobal competenceを計測する計画が進んでいる。その一方創造性などの計測は難しい。

 

・他方、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシー、問題解決能力のこれまでPISAが実施してきた分野は21世紀型スキルのベースになる能力である。