アール・ブリュット in Sweden

滋賀県近江八幡市にあるボーダレス・アートミュージアムNO-MA(2004年オープン)は障がいのある方の優れた造形表現をアール・ブリュット (Art Brut)として発信し続けておられます。

 

NO-MAの特徴は、障がいのある人の表現活動の紹介に核を置くことだけに留まらず、一般のアーティストの作品と共に並列して見せることで「人の持つ普遍的な表現の力」を感じてもらうところにあります。このことで、「障がい者と健常者」をはじめ、様々なボーダー(境界)を超えていくという実践を試みています。

 

NO-MAでは2006年から海外の美術館と連携し、日本のアール・ブリュットの発信と海外のアール・ブリュットを国内に紹介する活動も実施されてきました。

 

2018年は日瑞国交樹立150年の年、ということで、渡邊芳樹・元駐スウェーデン日本大使や北岡賢剛・社会福祉法人グロー理事長などが中心になり、スウェーデンにおけるアール・ブリュットの開催に向けてご尽力されてきました。

 

そして11月23日にスウェーデンを訪問された日本のアール・ブリュット・ミッションはINUTI財団等と共催して、2018年の5月と6月にストックホルム北部Sollentuna市立のEdsvik美術館で展示会を開催することに基本合意されました。

 

日本におけるアール・ブリュットの動きは滋賀県、文化庁などの支援も受け、全国に拡散しているようです。

 

その背景には、アール・ブリュットが単に障がい者による文化芸術活動の促進だけではなく、地域において障がい者による文化芸術活動にかかわる交流を促進することにより、心豊かで住み良い地域社会を実現したい、という大きな期待があるように思われます。

 

この展示会の機会にスウェーデンでも障がいの有無に拘らず、市民が協働して心豊かで住み良い地域社会を実現する、という共通の目標に向かっての議論と意見交換が期待されます。