スウェーデンの高齢者ホームのlean?

義母(89)は昨年6月からストックホルムの高齢者ホーム(認知症の認められる方向け)にお世話になっています。

 

このÅsengården高齢者ホームのオーナーはBräcke diakoni というキリスト教系介護団体で株式会社形態の組織です。

 

Åsengården高齢者ホームはストックホルム市からの委託で運営しています。契約は今年、2017年に更新されるので公開入札の手続きになるそうです。

 

ストックホルム市の入札方式は、落札価格は市で事前に決定され、提供されるサービスの質による競争とのことです。

 

所長はかつてストックホルム市、Attendo社勤務の経験もあるとのことですが、Bräcke diakoniには〈短期的な利益追及〉の意向はない、とのことでした。

 

また、ストックホルム市が決める落札価格で十分なクオリティーのサービスは提供できるので、現在進行中の福祉企業の利益制限の議論にはあまり関心がなさそうでした。

 

このホームでは昨年〈親族とのコンタクトを改善する〉目標でプロジェクトチームを作り作業を進めていました。

 

 

11月に開催された親族向け情報提供会にも出席しました。

 

 

テーマは、アンケート調査、親族とのコミュニケーション改善プロジェクト、その他でした。

写真はプロジェクトの報告書の一部ですが、何とフィッシュボーン(石川ダイアグラム)を使って分析しています。もちろんフィッシュボーンは日本のQCサークルの生みの親、石川馨さんの考案されたものとはご存知ないと思いますが、こんなところにも日本のやり方が取り入れられていたのに感動です。
先日サービス産業の生産性についての記事の中で、"スウェーデンではかつて日本から学んだ生産現場におけるトヨタ生産方式をホワイトカラーに応用し、"Swedish-style lean"として開花させている。(小菅竜介・立命館大学准教授)" と書きました。
ひょっとしたらこのホームの所長さんもleanの影響を受けておられるのかもしれませんね。
一度質問してみます。いずれにしても義母もわれわれもとても満足しています。
スウェーデンの高齢者介護は基本的に在宅主義です。できる限りホームヘルプサービスで対応するのが原則で、ホームのキャパが絶対的に不足しています。高齢者は障害か認知症がなければ入所が非常に難しく、日本のような民営の選択肢もありません。親族からのプレッシャーで昨年入居できた義母はラッキーでしょう。