日本に必要な"休み方"改革  Necessity of more holidays and vacations for Japanese

働き方についての議論が盛んですね。

 

経団連は2016年度を「働き方・休み方改革集中取り組み年」と定め、各種活動を展開しています。

 

Expedia社は2005年から有給休暇についての国際比較調査を実施しています。

世界28ヶ国18歳以上の有職者男女計9,424名を対象とした2016年の結果が年末に発表されました。

 

この結果を見ると、有給消化率が世界で一番低い(50%)、休み不足を感じている人の割合が世界一低い(34%)、有給取得に罪悪感を感じる人の割合が世界二位(59%)、自分の有給支給日数を知らない人がダントツで世界一(47%)、ワークライフバランス(休暇の比率)が世界最下位から三番目(12%)等々、日本人の休み方の特殊性が明らかになっています。

 

この調査では日本人が休みを取らない理由についても聞いています。

一位は人手不足、二位は職場の同僚が休んでいない、です。

 

これらの状況を欧州、北欧と比較すると色々な思いやヒントが浮かび上がってきます。

 

・日本人が休みを取らなくてもマクロ経済のパフォーマンスが良いのなら話は別ですが、現状は逆で"失われた四半世紀"。休みを取らずに頑張っていてもGDP成長率など日本経済の状況は欧州より低く、政府の債務残高も先進国で最悪の状況です。

 

・日本人が休みを取らずに働いていてもマクロ経済のパフォーマンスが良くない理由は、働き方、生産性の問題と総括出来るでしょう。”知業”の時代、オフィスに居る時間が問われるのではなく、考えている時間、考えた結果のイノベーション、生産性が問われる時代です。

 

・私は創造性の育成に関心を持ち続けてきました。この視点から欧州人のバカンスの使い方を見ると休暇はDSD (Do Something Different) により創造性を育み、新たな視点やアイデアを生み出す源泉にもなっている、と思われます。

 

・日本では”余暇”の表現に明らかなように、暇や休みは余りもの、との考え方があります。プライオリティーが低いのです。創造性、イノベーションの時代、休暇にはもっと高いプライオリティーが置かれるべきでしょう。私は〈余暇から求暇へ〉と主張しています。

 

・それでは具体的に日本でどのようにして求暇の方向に進めるか、が問われます。 ①経営者などトップが自らロールモデルとして求暇を実践する、②24時間営業、365日対応が本当に必要かを見直す=サービス水準を引き下げる働き方と意識改革、なども必要でしょう。

 

・スウェーデンでは最低年間5週間の有給休暇が法律で保証され、100%消化するのが通常です。長期休暇中(さらに長期の育児休暇では一般的ですが)、企業や団体はピンチヒッターを時限雇用することがよくあります。これらの代用雇用はもちろん期限付きですが、正規雇用のキャリアを求める人にとって大切な第一歩となることが多いようです。

 

休み方改革についても働き方改革と合わせて色々議論する必要がありそうです。

Expedia社2016年の調査概要

■サンプル数: 計9,424名/28ヶ国
■調査対象: 日本、アメリカ、カナダ、メキシコ、オーストリア、デンマーク、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、オランダ、ノルウェー、スペイン、スウェーデン、イギリス、ブラジル、オーストラリア、香港、インド、マレーシア、シンガポール、韓国、タイ、アラブ首長国連邦、ニュージーランド、フィンランド、ベルギー、スイス
■調査期間: 2016年9月12日~29日
■調査方法: インターネットリサーチ
※本調査では小数点第1位で四捨五入しているため、足し上げても合計数値が100%とならない場合があります

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コメント: 2
  • #1

    村田杏坪拝 (火曜日, 03 1月 2017 10:28)

    昨夜この記事をチラッと眺めた時には「Do Something Different」なる考論があったように思いましたが、この版では消えているように見えます。北九州での現役の頃ですが新聞の広告に「違いの分かる男のゴ-ルドブレンド」というキャッチフレ-ズが気になったことを思い出しました。
    日本では「違いが分かって貰えない」という憤懣がかなり以前から充溢しておりました。
    技術系の社員も「自然科学系をベ-スにしながらも、社会科学系との融合」を図っていかなければならないと考えております。(特にビジネスの世界で)

  • #2

    川崎一彦 (火曜日, 03 1月 2017 12:17)

    コメント深謝です。

    そのとおりですね。情報量が革命的に増加している今、全体を眺め、〈何が大切か〉を判断する
    能力が問われます。

    「自然科学系をベ-スにしながらも、社会科学系との融合」、大切だと思います。