”世界一高い病院”の歴史-新カロリンスカ大学病院

新カロリンスカ大学病院(NKS)についてのDN紙の記事 ”世界一高い病院の歴史”(2018-02-25)

NKSの建設の決定は2008年4月にされ、建設費は最高141億クローナと予測されました。

2ヶ月後、中道保守政党はOPS(public-private partership, 指定管理者制度)による建設を提案。入札結果は、Skanska(ゼネコン)とInnisfree (リスクキャプタル)のコンソーシアム一社のみが応札。

現時点では建設費は228億クローナ、2040年までの維持費を含めて610億クローナ、”世界一の高コストの病院”と言われているそうです。

2016年11月にNKSへ心臓病、ついで小児病の最初の患者が入り始めました。

移動にはBoston Consulting Group (BCG)がコンサルティングを行いました。
BCGは旧来の61の臓器別の科組織から、子ども、ガンなど7つのテーマの新組織に変更しました。(コンサルティングフィーは2.5年で1億1800万クローナ)

医師看護師などからはこの新組織に反対の声が高まり、実際に手術などが機能しないので死亡された患者さんもいて、警察も調査中と報じられています。

 

この記事に登場されているBertil Gustafssonさんは昨年夏膵臓癌と診断されましたが、NKSがスタッフ不足で手術できず、手遅れになりました。2月末に亡くなったとのことです。Danderyd病院からNKSに対し、手術支援の申し出があったのに、NKSは断った、と報じられています。

ストックホルム大学はNKSの意思決定プロセスについての調査を依頼され、2/23に第一次の報告書を公表しました。("Framtidens universitetssjukhus -Beslut om Nya Karolinska Solna" 未来の大学病院ーソルナの新カロリンスカ病院の意思決定 )これによれば、十分な議論が行われていなかったことが指摘されています。

NKSでは孫もお世話になっており、他人事ではなく自分事としても関心を持っています。

 

https://www.facebook.com/kawasakikazuhiko/posts/1188046427938333