Documentary "Hafu" together and share impressions with Tokyo 2019-09-22

日本のドキュメンタリー映画「ハーフ」をスウェーデンと日本で同時に鑑賞し、オンラインで感想をシェアするイベント。

𝙇𝙚𝙩'𝙨 𝙨𝙚𝙚 𝙩𝙝𝙚 𝙙𝙤𝙘𝙪𝙢𝙚𝙣𝙩𝙖𝙧𝙮 𝙛𝙞𝙡𝙢 "𝙃𝙖𝙛𝙪" 𝙩𝙤𝙜𝙚𝙩𝙝𝙚𝙧 𝙖𝙣𝙙 𝙨𝙝𝙖𝙧𝙚 𝙮𝙤𝙪𝙧 𝙞𝙢𝙥𝙧𝙚𝙨𝙨𝙞𝙤𝙣𝙨 𝙬𝙞𝙩𝙝 𝙛𝙧𝙞𝙚𝙣𝙙𝙨 𝙞𝙣 𝙏𝙤𝙠𝙮𝙤 𝙤𝙣𝙡𝙞𝙣𝙚.

『ハーフ』は、ハーフたちの複雑な心境や、現代の日本での多文化的な経験を通して、発見の旅へと導きます。本作品は、5人の「ハーフ」たちがかつて単一民族と言われてきた国において、多文化・多人種であるとは、どういうことなのかを探求する日々を追います。

“Hafu” is the unfolding journey of discovery into the intricacies of mixed-race Japanese and their multicultural experience in modern day Japan. The film follows the lives of five “hafus”–the Japanese term for people who are half-Japanese–as they explore what it means to be multiracial and multicultural in a nation that once proudly proclaimed itself as the mono-ethnic nation.

 

 

 

映画の中では「ハーフ」という言葉が使われるのは日本だけで和製英語、と言われていました。スウェーデン会場ではスウェーデンでも使われる、という人と、そうでない、という人がいました。

 

 

 

〈教育 education〉

 

映画のテーマである多様性、多民族、多文化について、スウェーデンの教育について東京から質問が出ました。

 

 

 

「違って当たり前」という松井・ツンバ高校教諭のコメントが印象的でした。

 

松井先生も一章ご執筆された『みんなの教育 スウェーデンの〈人を育てる〉国家戦略』(ミツイパブリッシング、2018)が偶然9/21の朝日新聞で本田由紀・東大教授により紹介されていました。

 

 

 

https://digital.asahi.com/articles/DA3S14187154.html

 

 

 

〈スウェーデン人の誇り、日本人の誇り Prides as Swede and Japanese〉

 

スウェーデン側からは、自由、誰でも大学まで無料で学べる、女性が働きやすい、などが挙げられました。
日本人の誇りとしてはNina Lundqvistさんが和を重んじることなどをあげてくれました。

 

 

〈スウェーデン社会の問題点 Problems in Sweden〉

 

SD(スウェーデン民主党)の台頭、など反移民の動きも台頭しているが、日本のイメージは悪くない。

 

 

 

〈これからの日本 lessons for Japan〉

 

多様性 国籍、人種、肌の色などではなく人を人として見てコミュニケーションすることの大切さ。映画ににじみ出ていた多様性のメリット、温かみ、情熱はこれからの日本にとっても極めて大切。

 

 

 

その一方、「違う人(見た目・考え方)」が自分の価値観やこれまでの社会のあり方を覆す可能性があることへの不安がある、というコメントがあった。多様性が素晴らしい、という感覚を味わうだけでなく、それは決してあなたを脅かさない、と示す必要があるのかなと思った。(東京会場)とのコメントも印象的でした

 

若者の投票率ー自己効力感の視点から Low voting rates of young Japanese- what to do?

 

参院選の確定投票率は選挙区48.80%、比例代表48.79%でした。”地方議会が住民投票条例を制定する際、投票率が半数に満たない場合、開票を見送るルールを設ける例が少なくない。半数割れは投票結果そのものの有効性に疑問を生じさせるおそれがあるからだ。”(日経7月22日社説)
例えば総務省の「目で見る投票率」という資料を見ると、投票率の長期的低下傾向、特に選挙に無関心な若者の傾向が顕著です。今回の参院選の18歳の投票率は34.68%、19歳はわずか28.05%でした。(速報値)
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私はスペインのマジョルカ島でのバカンス中に参院選がありました。
EU域内の移動にはパスポートは不要。携帯電話も私が住んでいるスウェーデンと同様に追加料金なしで使え、その意味では海外に来ている感覚がありません。
ホテルやビーチで聞こえてくる言葉は、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、スウェーデン語、ノルウェー語、デンマーク語、オランダ語のほか、ロシア語、時には中国語、日本語などで、ありとあらゆる国から観光客が来ているようです。
第二次大戦、ホロコーストは本当にあったのか、と疑わせるほどの繁栄と平和です。
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私の両親は第二次大戦の影響もまともに受け、苦労した世代です。
幸いなことに団塊の世代の私は70年間平和を享受できました。この平和は何としても維持しなければなりません。
政治に無関心なほどの無責任はありません。
低い若者の投票率とその対応策については私の考えをメモしてみます。
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自己効力感(self-efficacy)という表現を聞かれた方も多いと思います。
心理学者Albert Banduraが提唱したコンセプトで、ある状況のもとでたとえば目標を達成する、といった結果を出そうとする際「自分がうまくできるかどうか」という予期のことをいいます。
 
私は現役時代、学生さんの到達目標のひとつに自己効力感をあげていました。
 
ここでは選挙の投票率を議論しますが、自己効力感の観点からは、”より良い社会を作るために自分でもできることがあり、自分の一票に意味がある”という目標についての行動、と捉えることにしましょう。
バンデューラは自己効力感(自信)を生み出す源として以下の4つをあげています。
①達成要因:過去に自分が成功した経験
②代理経験:上手く出来ている他人をモデルとして観察すること。ロールモデル
③言語的説得:自分に能力があることを言語的に説明され励まされること。
④生理的情緒高揚:生理的な何らかの刺激によって気分が高揚されること
 
スウェーデンの学校では早期から成功体験をゲットできる機会を多々提供しています。
就学前学校の指導要領には、「1歳からの就学前学校(Förskola)は学校教育システムの一部であり、民主主義の基礎の上に成り立っている。スウェーデン社会のベースにある基本的人権や民主主義的価値観への尊重を学び習得させる。」と最初に明記されています。
具体的には子どもの参加と影響力(2章3節)で、「すべての子どもは学び方と学ぶ内容について十分な影響力をもつべき」と書かれています。
例えばスウェーデン南部Helsingborgのプレスクールでは、子どもたちがよく遊ぶ近くの公園の改善プロジェクトを実施し、改善案を市に提示しました。市はその一部を採択し、子どもたちは自分たちの意見や発言が実際に社会の改善にインパクトがあることを実体験しました。
私の孫がいっているストックホルムのプレスクールでは、ルールを自分たちで作らせるプロジェクトも実施していました。ルールは先生や学校に与えられるものではなく、自分たちも影響力を行使すべきもの、との考え方です。
両角達平さんのブログ記事スウェーデンの若者の選挙の投票率が高い理由がわかる12記事」には、貴重な情報が満載されています。すべて若者の成功体験の機会を与え、自己効力感を高めるチャンス、と捉えられるでしょう。
Placeは、職員と若者が施設の運営や計画にともに責任を持ち自治を機能させなければならない。」((Ungdomsstyrelsen, 2009))
若者の投票率を上げ、シルバー民主主義を抑制するためには、やはり早期からの学校教育などで自分でも社会をよりよくすることに貢献できる、自分の一票にも意味がある、という自己効力感を持ってもらうことが必要でしょう。
参考資料:
Bandura, Albert, SELF-EFFICACY MECHANISM IN HUMAN AGENCY, American Psychologist, Feb. 1982
目で見る投票率、総務省選挙部、平成31年3月
両角達平スウェーデンの若者の選挙の投票率が高い理由がわかる12記事」
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世界一幸せな国、フィンランドの総選挙 Election in Finland - "happiest nation in the world"

国連のWorld Happiness Report 2019 でトップにランクされた北欧フィンランドで4年に一度の総選挙が4月14日に実施されました。

 

前回の2015年の総選挙の結果、中央党のJuha Sipilä党首を首相とする中道右派連立政権が担当してきましたが、今年3月8日に辞任し、選挙管理内閣の形態でした。

 

今回の総選挙結果の主なポイントです。

 

・社会民主党が第1党になったのは20年ぶり。ただ、第1党の得票率(17.7%)が20%に届かないのはフィンランドではまれです。また第1党、第2党、第3党の議席数の差はそれぞれ最小限の1議席。

 

・一時期消滅も噂されていた「真のフィンランド人党」が大躍進し、17.5%を得て第二党に。内閣入りを希望していますが、社民党などは今のところ拒否の姿勢です。

 

・最大のルーザーは前政権の中央党。同じ連立内閣を構成していた保守党は1議席増やしています。

 

・今回の主な争点は環境と移民(Mia Holmberg Karlsson/TT)。環境問題を強調したグリーンや左党も伸びています。今回の選挙の勝者は”レッド・グリーン・グループ” そして反移民の「真のフィンランド人党」の躍進。

 

・投票率は72%で1991年以来の高率。

 

・200議席中92議席(46%)が女性。女性比率は史上最高。

 

・今後第1党社会民主党のAntti Rinne党首を中心に新連立内閣についての協議が進むとみられます。5月26日にはEU議会選挙が予定されており、その頃までに組閣が目指されるだろう、とHbl紙は書いています。7月1日からフィンランドはEUの議長国を務めます。

 

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フィンランドは独立100年。小国ながら社会、満足度、信頼感、平等、環境/エネルギー、教育、IT/国際競争力、子どもの幸せ、健康などの国際指標でトップクラスにあります。"Finland among the best in the world" (Statistics Finland)。

 

スウェーデンのSvenska Dagbladet紙は今年2月24日「Så blev Finland bättre än Sverige på nästan allt (こうしてフィンランドはほぼ全てについてスウェーデンよりも良くなった)」という記事を掲載して注目されました。

 

国民は幸せで、セキュリティーも良く、政治への信頼度も高いフィンランドですが、ポピュリスト政党の台頭、多党化、という欧州のトレンドの例外ではなさそうです。

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Antti Rinne社会民主党党首を首相とする中道左派内閣が組閣に合意し、6月3日に基本政策を公表しました。

 

今回の連立内閣は、社会民主党、中央党、環境党、左翼同盟及びスウェーデン人党の5党からなり、近年フィンランドでは見られなかった中道左派。4月の総選挙の結果、5党はフィンランド国会(200議席)で合計116議席を保有します。

 

主な政策としては、6万人の雇用創出、教育及び大学教育への予算増、医師を1000人増やし医療を改善する、25歳までは避妊薬を無料化、難民受け入れ枠を100人増やして年850人とする、などとDN紙は報じています

 

 

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杉本拓さんのこと On Sugimoto Taku san

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Nordstjärneorden 北極星勲章受賞

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日本人の「教育改革論」by David Atkinson

デービッド・アトキンソン さんの日本論にはいつも共感しています。

 

東洋経済オンライン(2019-03-27)の記事を読みました。

 

 日本人の「教育改革論」がいつも的外れなワケ

課題は「子ども」ではなく「社員教育」にある

 

"日本経済の仕組みが人口増加を前提として出来上がっており、人口減少の時代には相応しくなくなっているので、大改革が必要不可欠だ。

 

どのテーマを掘り下げても、結局はこの結論に達するのです。"

 

しかしこの記事で指摘されている ”課題は「子ども」ではなく「社員教育」にある” には異論があります。

 

社員教育、あるいは生涯教育が重要なこと自体には私も異論はありません。

 

”人口減少に対応するためには、日本は「高生産性・高所得」経済モデルに移行しなければなりません。そのためには、各企業に最先端技術を普及させることが重要です。新しい技術を導入するとなれば、それを使いこなすために、新たな社員の教育が必要になるのは当然のことです。” はその通りです。

 

しかし、「社員教育」「生涯教育」だけが問題で、「子どもの教育」は問題ではない、というのは賛同しかねます。

 

二者択一ではなく、スウェーデンのように子どもも大人も「分けない」教育戦略が必要でしょう。

『みんなの教育 スウェーデンの「人を育てる」国家戦略』川崎一彦等、2018、ミツイパブリッシング

 

デービッド・アトキンソン さんご自身、”子どもの教育の充実が重要なのは私も決して否定はしません。しかし、(中略)、全国民の82%以上が25歳以上になるのです。25歳以上の人を対象とした教育のほうが、わずか18%しかいない25歳未満の教育より、ずっと重要になるのは当然でしょう。”

 と書かれています。彼の論は当面は「社員教育」「生涯教育」を優先すべきと解釈します。

 

私自身現役時代には高等教育と初等中等教育の両方に関わってきました。

 

日本の「子どもの」初等中等教育に基礎的、構造的な欠陥があるのは否定できません。そして大学生になってからでは遅すぎる、というのも実感でした。

 

デービッド・アトキンソン さんが「社員教育」「生涯教育」の重要性を指摘して下さるのはありがたいことですが、それによって日本の将来を支える「子どもの」教育の基礎改革の重要性が低下する訳ではありません。

人は信用できるか?World Values Survey 世界価値観調査

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